企画展「曳山を彩った文人たち ~山中信天翁と北村李軒~」

長浜曳山祭の曳山には、襖絵を中心に江戸後期から明治期に活躍した多くの書家や絵師などの文人が、その作品を残している。金工・彫刻や染織を含めて、長浜の曳山を「動く美術館」と称する所以である。

長浜市曳山博物館では、この山の装飾に関わってきた画家(山縣岐鳳・八木奇峰など)の作品を紹介する企画展を開催して来たが、今回はこれまで取り上げなかった山中信天翁と北村李軒の作品を紹介する。

山中信天翁(1822~85)は、三河国(愛知県)に生まれ京都に出て、勤王の志士と交わり、岩倉具視の知遇を得て、新政府に入り地方官として勤務した。明治7年(1874)には「維新の功労者」として、長浜に迎えられ、いくつかの書画を残している。

北村李軒は、坂田郡鳥羽上村(長浜市鳥羽上町)に生まれで、文化9 年(1812)紀州華岡青洲(1760 ~ 1835)に入門し、先進的な医術(全身麻酔など)を学び、後に京都で四条円山派の松村景文に師事し絵画も学んだ。

今回の展示では、この2人が曳山に残した襖絵を核として、その他長浜に残した作品を紹介することで、江戸期から明治期にかけての曳山祭を育てた多彩な文化の精華を多くの方に知って頂く。

企画展情報

開催期間:
令和7年6月3日(火)~7月21日(月・海の日)
会場:
長浜市曳山博物館 1階展示室
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:
毎週月曜日
入場料:
大人 600円/小中学生 300円
*20名以上の団体は2割引、長浜市・米原市の小・中学生は無料。

①展示説明会
日 時:令和7年6月14日(土)・6月21日(土) 午後1時30分~午後2時30分
会 場:長浜市曳山博物館 1階展示室
案 内:長浜市曳山博物館 学芸員 岩田澪奈
その他:参加には入館料600円が必要です。

②記念講演会
日 時 令和7年7月13日(日) 午後1時30分~午後3時30分
会 場 長浜市曳山博物館 伝承スタジオ
演 題 山中信天翁と幕末・維新の北近江
講 師 長浜市曳山博物館 館長 太田浩司
その他 聴講には資料代500円が必要です。(入館には別途600円必要です。)

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主な展示資料

① 腰襖「松蘭菊図」 山中信天翁書画  3面   舟町組猩々丸蔵

② 扁額「開知学校」 山中信天翁書    1面   長浜市立長浜小学校蔵

③ 渓流紅葉鹿図 北村李軒画       3面 本町組春日山蔵

④豊臣秀吉像 北村李軒画   1幅 長浜市長浜城歴史博物館蔵

⑤鶴亀図 北村李軒画      1幅 長浜市長浜城歴史博物館蔵

⑥ 寒山拾得図 北村李軒画    1幅 長浜市長浜城歴史博物館