企画展・特別展
桃の節句と節句飾り
この企画展では、長浜のマチにゆかりの豪華な雛飾りなどを展示して、桃の節句にまつわる長浜の町衆(まちしゅう)の暮らしの一端を紹介いたします。また、長浜の人々が篤い信仰を寄せた大通寺の貴重な所蔵品の中から、彦根藩主井伊直弼の娘で第10代住職霊寿院厳澄の室となった砂千代の調度品についてもあわせて紹介いたします。
企画展情報
- 開催期間:
- 平成23年2月19日(土)から3月21日(月)まで
- 開館時間:
- 9時~17時(入館は16時30分まで)
主な展示資料
【展示品について】
1.御殿雛
一式 明治時代
(御殿:幅140.5cm奥行き50.0cm 高さ75.5cm)長浜城歴史博物館蔵
長浜町の商家四居家に伝来した雛人形。寝殿造の御殿に雄雛と雌雛、三人官女、楽人らが配置され、そのほか調度品の数々が附属する。御殿の屋根は桧皮葺風に着色され、長押や渡り廊下の壁面に描かれた鶴松図など細部にわたり緻密な彩色が施される。
2.雛人形 一対 明治時代(男雛:像高26.8cm 女雛:像高23.5cm)長浜城歴史博物館蔵
長濱愛児園が所蔵していた雛人形のうちの一式。古今雛形式の雛人形で、明治から大正期に製作されたもの。この雛人形は、長浜出身の豪商で慶雲館建設等に尽力した浅見又蔵(1858-1900)を輩出した浅見家より愛児園に寄贈されたという伝承をもつ。
3.犬張子(砂千代の調度品)一対 江戸時代後期(長さ36.4㎝ 高さ26.2㎝)大通寺蔵
犬の形をした紙製の蓋付箱。雌雄1対で、花嫁を守護するとともに、犬のように多産で、お産が軽くなるようにとの願いが込められている。収納する箱の蓋裏貼紙に「京三条通麩屋町西入/御用/御雛人形司/幾久屋長兵衛」の墨書銘がある。
4.舞姫(砂千代の調度品)一対 江戸時代後期(高さ:扇持ち36.5㎝ 弓持ち56.0㎝)大通寺蔵
台上で右手に花、左手に団扇を持つ舞い手と、右手に弓、左手に二本の矢を持つ舞い手の一対の人形。ともに華麗に舞う舞姫の姿を模した雛人形で、首を傾け体をひねる姿には躍動感があり、衣装には金糸や色糸で刺繍が施され、華やかに仕上げられている。
5.桑木地唐子遊蒔絵三味線(砂千代の調度品)一棹 江戸時代後期(長さ98.0㎝)大通寺蔵
桑木地の胴に透漆を塗り唐子が戯れる様子を蒔絵で施し、棹には黒漆を塗り花卉を蒔絵で描いている。三味線を入れる箱にも黒漆塗りに唐草模様の蒔絵が施されており、三味線はここに鼈甲製の撥などと共に収められる。