企画展・特別展
曳山祭を支えた人々
曳山博物館では、4月の曳山祭に向けての企画展示として、長浜曳山祭関連資料展「曳山祭を支えた人々」を開催します。
曳山の上で子ども歌舞伎を上演するためには、三役(振付、太夫、三味線)の存在が不可欠です。現在は三役修業塾の塾生が曳山祭の太夫や三味線を努めていますが、かつては湖北地域で義太夫がさかんに行われており、曳山祭の三役も、長浜近隣の地域より来ていた人々が努めていました。曳山祭を支えたのは長浜の町衆だけでなく、こうした近隣地域の技能をもった人々の存在があったからだと言えます。今回の展示は、こうした人々に焦点をあてて、見台や浄瑠璃本などの資料により、曳山祭で活躍した太夫・三味線弾きについて紹介します。
本展で扱う太夫と三味線は年代によってその担い手が変化します。昭和30年代までは湖北の農村部の人々でした。彼らは農業の合間に芸を習い、浄瑠璃会や余興などで披露しました。しかし昭和40年代からは岐阜や愛知の地歌舞伎出身者が中心となって担うようになり、昭和50年代になると松竹大歌舞伎の人を招くようになります。
この担い手の変化は湖北地域の義太夫文化が失われたことを意味し、農業を基盤とした地元の村落住民による農村歌舞伎は娯楽の多様化により衰退し、三役の担い手人口の減少につながりました。
現在の三役修業塾による曳山祭の太夫・三味線の担い手の育成は、湖北地域の曳山祭の子ども歌舞伎にとって新たな動きを生み出しています。
企画展情報
- 開催期間:
- 平成24年3月12日(月)~4月22日(日)
- 開館時間:
- 9時~17時(入館は16時30分まで)