企画展・特別展

演じられた戦国-絵本太功記の世界-

 絵本太功記は、寛政11年(1799)年初演の人形浄瑠璃で、のちに歌舞伎化されました。「絵本太閤記」などに基づき、明智光秀(作中では武智)の反逆を中心に秀吉(真柴久吉)を絡ませ、全十三日の話を一日一段に構成しています。十段目「尼ヶ崎の段」は、「太十」(たいじゅう)と呼ばれて有名です。

 秀吉は乱麻の時代をその知恵と工夫で乗り切り、国内の統一に成功した立志伝中の人物であり、最も日本人が好む武将でもあります。普通であれば「絵本太閤記」のごとく、不世出の英雄の生涯を芝居に描き、人々に夢と希望を与えつつ人気を集めることも可能であったでしょう。ところが「絵本太功記」は違います。中心人物は逆臣、明智光秀なのです。

 内容は一見、謀反人の悲惨な最期を描いたもののように見えますが、行間からにじみ出てくるのは光秀に寄せる作者の共感です。

 本展示では、歌舞伎に描かれた歴史に視座をおいて展示構成を行い、庶民に喝采をもって受容された絵本太功記から、時代の風刺精神を明らかにします。

企画展情報

開催期間:
平成24年9月29日(土)~11月4日(日)
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
入場料:
大人600円、小中学生300円
*長浜・米原市内の小中学生は無料

講演会情報
「太閤記のさまざま-実録から伝説へ-」

10月13日(土) 13時30分~15時

*入場無料

講師:中村博司氏(元大阪城天守閣館長)

お問い合わせ
曳山博物館 65−3300

パンフレットダウンロード

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主な展示資料

≪出陳資料目録≫

1,木造 明智光秀坐像

一躯

福知山市

2,山城国山崎地形之図

(大山崎合戦図)

一枚

福知山市

3,本能寺焼討之図 真書太閤記

三枚

福知山市

4,明治座新狂言明智左馬之助湖水乗切

(立版古)

一組

(三枚続組上)

福知山市

5,浪花節人間光秀1~4

二組

福知山市

6,京都本能寺合戦

(水野年方木版画)

三枚続

福知山市

7,歌舞伎座番組

(時今也桔梗旗揚ほか)

一枚

福知山市

8,石碑・五輪塔

(石垣転用石)

三基

福知山市

9,複製 明智光秀画像

(原資料 本徳寺蔵)

一幅

福知山市

10,明智光秀画像復元模写

(原資料 本徳寺蔵)

一幅

県立安土城考古博物館

11,豊臣秀吉画像復元模写

(原資料 多賀大社蔵)

一幅

県立安土城考古博物館

12,秀吉出世物語屏風

六曲一双

個人蔵

13,賤ヶ岳合戦図

一枚

個人蔵

14,賤ヶ岳合戦錦絵

一枚

個人蔵

15,山崎合戦錦絵

一枚

個人蔵

16,四国征伐錦絵

一枚

個人蔵

17,本朝百将図

一巻

長浜城歴史博物館

18,絵本太閤記

五冊

長浜城歴史博物館

19,長浜曳山祭狂言台本 絵本太功記

三冊

個人蔵

以上

19件

 

 

展示資料画像

明智光秀画像復元模写(安土城考古博物館、原本 本徳寺蔵)
秀吉出世物語屏風(個人蔵)
豊臣秀吉画像復元模写(安土城考古博物館、原本 多賀大社蔵)
山崎合戦錦絵(個人蔵)