企画展「曳山大工 藤岡和泉~曳山の基は仏壇にあった~」
平成29年(2016)ユネスコ無形文化遺産に登録され、長浜が世界に誇る祭が長浜曳山祭です。祭の舞台となる長浜町には、13基の曳山が伝わりますが、この曳山を生み出し、この地域を代表する大工一門が藤岡家です。
藤岡家は、初代甚兵衛重光に始まり、江戸時代を通じ昭和時代まで活躍が知られる大工の名門です。代々、長浜伊部町(長浜市元浜町)に居住し、甚兵衛長好が「和泉」の名前を称して以降、当主が代々「和泉」を名乗ったことから地元では藤岡和泉の名で知られています。彼らは、全国的に見ても独創的な舞台付曳山型を生み出し、その型式は米原市の米原曳山祭や岐阜県垂井の垂井曳山祭でも用いられています。その意味では、日本各地の祭礼にも影響を与えた全国的にも稀有な大工一門といえます。
また、大工藤岡家の特筆すべき事績は、三間で唐破風や千鳥破風を備えた大型の仏壇を生み出したことです。重光が造り出した仏壇は、のちに和泉壇と呼ばれ、江戸時代仏壇の生産地として知られた長浜の仏壇の中でも最高級のブランド品として人気を博しました。重光以降、藤岡家歴代が手掛けた仏壇は、長浜市や米原市に多く残されています。
本展では、江戸時代において長浜が生んだ名匠・藤岡家に伝わった資料群である「藤岡家大工資料」や、藤岡家が手掛けた仏壇にスポットをあて、その資料の性格や長濱仏壇の歴史やその特徴を紹介します。
本展により、藤岡家の大工として業績が広く知られ、また藤岡家が生み出した全国に誇る長浜仏壇の再評価に繋がれば幸いです。
企画展情報
- 開催期間:
- 令和7年7月23日(水)~9月28日(日)
- 会場:
- 長浜曳山博物館 1階展示室
- 開館時間:
- 9時~17時(入館は16時30分まで)
- 休館日:
- 毎週月曜日 (但し、祝日の8月11日(月)・9月15日(月)は開館、 翌日の8月12日(火)・9月16日(火)は休館)
- 入場料:
- 大人600円/小中学生300円
※20名以上の団体は2割引、長浜市・米原市の小・中学生は無料。
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等をお持ちの方及びその付添いの方1名は無料。(ただし、証明となる手帳等の提示が必要)
①展示説明会
日 時:令和7年8月9日(土) 13:30~
会 場:長浜曳山博物館1階展示室
案 内:長浜市曳山博物館 学芸員 岩田澪奈
参加費:参加には入館料(600円)が必要です。
②講演会「藤岡和泉と長浜仏壇」(仮題)
日 時:令和7年8月23日(土)13:30~
会 場:長浜曳山博物館伝承スタジオ
演 題:
①「藤岡和泉と濵仏壇」
講師:長浜市長浜城歴史博物館 学芸員 坂口泰章氏
②「江戸時代の大工のなかの藤岡和泉」
講師:長浜市曳山博物館 館長 太田浩司
聴講費:参加には資料代(500円)が必要です。
③仏壇解析「最古から2番目の濵仏壇を解体する」
日 時:令和7年7月23日(水)13:30~
会 場:長浜市曳山博物館 伝承スタジオ
→詳細は、別紙チラシ参照
④関連企画「藤岡和泉に出会う旅」
日時:令和7年9月21日(日)
主催:一般社団法人 浜壇保存会
案内:
長浜市曳山博物館 館長 太田浩司氏
長浜市長浜城歴史博物館 学芸員 坂口泰章氏
内容:仏壇・寺社仏閣から曳山に至るまで制作した江戸時代の大工・藤岡和泉が湖北に残した作品(建造物・仏壇)や、長浜市曳山博物館の企画展「曳山大工 藤岡和泉」を見学するツアーです。
*詳細(集合時間・参加費等)の問い合わせは、「一般社団法人 浜壇保存会」(0749-64-0181、㈱永楽屋長浜店)までお願いします。