企画展・特別展

湖北は曳山のまち

展示趣旨

 国指定重要無形民俗文化財に登録されている長浜曳山祭が山車文化の精華であることは論を待たない。また、祭で使用される13基の曳山は、県の有形民俗文化財に指定されている。その曳山の多くは、和泉壇といわれる浜壇(長浜仏壇)の様式を確立した名彫刻師・藤岡和泉とその一門によって製作された。その後、精巧な錺金具や美しい塗り、豪華な幕類を飾り、2階部分である亭の増設など様々な改造を経て、現在見られる曳山へと変貌を遂げてきた。この長浜曳山祭に代表される舞台付きの曳山(芸山)は「長浜型」と呼ばれ、江戸時代後期から明治時代にかけて、県内はもとより県外にまで広く伝播した。特にここ湖北地域においては、長浜曳山祭の曳山文化が浸透していることを示すように各地に曳山が製作された。市内では宮司町の颯々館、五村の常盤山、高月町雨森の高砂山(現在は国立民族学博物館所蔵)などが現存している。また、それらの多くは、長浜曳山祭のように舞台上で子ども歌舞伎などの芸を披露していたことがわかっている。

 今回の展示では、「湖北は曳山のまち」をテーマとして、湖北地域に広がる曳山文化の姿をリアルに伝えるとともに、芸山という独自の文化がどのように拡散していったのか、その足跡も追求する。また、長浜曳山祭の「無形」に関する部分である、子ども歌舞伎に欠くことのできない三役(振付・太夫・三味線)や囃子方について、地元で三役を養成する三役修業塾や、囃子の伝統の継承と後継者育成を担う囃子保存会のあゆみや活動内容を紹介する。

企画展情報

開催期間:
平成28年7月4日(月)~9月11日(日・祝)
会場:
曳山博物館
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)

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主な展示資料

宮川祭颯々館見送幕 一枚 文政12年(1829) 長浜市宮司東町自治会蔵

宮川祭颯々館楽屋襖 四面  享和4年(1804) 長浜市宮司東町自治会蔵

虎姫五村常盤山見送幕 一枚 文政5年(1822) 長浜市五村自治会蔵

高月雨森高砂山細部意匠型紙類 八枚 藤岡家大工資料

米原行山建地割図 一枚 明治3年(1870)頃 藤岡家大工資料

米原旭山細部意匠型紙類 九枚 宝暦10年(1760)頃 藤岡家大工資料

米原南町組・中町組型紙 一枚 藤岡家大工資料

髙砂山「お遣り」 一枚 現代 長浜曳山祭囃子保存会蔵

長浜祭曳山ばやし 一冊 現代 長浜曳山祭囃子保存会蔵

太鼓・締太鼓 二面 現代 月宮殿田町組蔵

黒漆塗金青貝紅葉流水紋高蒔絵見台 一台 現代 本館蔵

展示資料画像