企画展・特別展

年の始めの例とて

 曳山博物館では1月15日(土)より、新春企画展「年の始めの例とて」を開催します。今回の展示では、長浜曳山祭の曳山を飾る装飾品の中から、特に新春を寿ぐ題材で構成されたものを選りすぐって公開します。常磐山の楽屋襖「松鶴図」や春日山の楽屋襖「稚松群鶴図」は、普段は目にする事のない優品ですし、月宮殿の亭を飾る硝子油彩の「動植物図」に木彫「波兎」も、なかなか見ることのできない装飾です。曳山に施されためでた尽くしの装飾品を是非ともご覧ください。

企画展情報

開催期間:
平成23年1月15日(土)から2月17日(木)まで
会場:
長浜市曳山博物館(長浜市元浜町14-8/TEL: 65-3300)
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
入場料:
大人600円・小中学生300円(団体は20名様以上で各2割引)

主な展示資料

  資料名 数量 時代 所蔵
1 紙本金地着彩 松鶴図 4面 江戸時代後期 常磐山呉服町組蔵
2 見送幕飾金具 月に兎 1対 昭和時代 月宮殿田町組蔵
3 硝子油彩 動植物図 4面 江戸時代後期 月宮殿田町組蔵
4 木彫 波兎 1対 江戸時代後期 月宮殿田町組蔵
5 歌舞伎衣裳

菅原伝授手習鑑 車引

松王丸衣裳
1点 現代 ミュージアム中仙道蔵
6 歌舞伎衣裳

菅原伝授手習鑑 車引

梅王丸衣裳
1点 現代 ミュージアム中仙道蔵
7 歌舞伎衣裳

菅原伝授手習鑑 車引

桜丸衣裳
1点 現代 ミュージアム中仙道蔵
8 歌舞伎衣裳

菅原伝授手習鑑 寺子屋 

松王丸衣裳
1点 現代 ミュージアム中仙道蔵

(瑞浪市指定文化財)

 

【主な展示品】


紙本金地着彩 松鶴図
   江戸時代後期 
   常磐山呉服町組蔵

 常磐山の楽屋襖に描かれた松樹に三羽の鶴の図。金地の四面の襖の中央に大きく枝を広げた松が極彩色で描かれ、向かって右にはつがいの鶴二羽が、左からは飛来する若鶴が配されている。画面下部には笹と牡丹の花が添えられる。松と鶴の組み合わせは吉兆とされる。絵の右手には「法眼常慶藤原関倍筆」の墨書があり、落款と印章が捺されている。本図の裏面には「桜鳥図」が描かれており、同じく藤原関倍の手になるものとみられる。

 

 

木彫 波兎
   江戸時代後期 
   月宮殿田町組蔵

 月宮殿の亭の側面に施された数多の木彫のひとつで、波間を飛び跳ねる兎の様子を立体的に力強く彫り出した装飾。兎は多産と飛躍を象徴する縁起の良い題材とされるほか、「波兎」は謡曲「竹生島」の一節「緑樹沈んで、魚木に上る気色あり 月海上に浮かんでは、兎も波を走るか面白の島の気色や」に由来するとも云われる。