企画展・特別展

仮名手本忠臣蔵の世界

 曳山博物館では、特別陳列「仮名手本忠臣蔵の世界」を開催しています。

 仮名手本忠臣蔵は、年末になると大河ドラマや歌舞伎、人形浄瑠璃などで盛んに取り上げられ、独参(どくじん)湯(とう)(起死回生の妙薬、気付け薬)に例えられて、不入りの時でもこれを上演すれば必ず観客が入ると言われるほどの名作として知られています。長浜曳山祭の子ども歌舞伎においても、「七段目」(一力茶屋)は戦後から現在まで13回と最多の上演回数を誇る人気演目です。

 本展示では、絵看板や浄瑠璃本、歌舞伎装束などの資料や、庶民に愛された忠臣蔵グッズなどを展示し、不動の人気を誇る仮名手本忠臣蔵の世界を紹介します。

企画展情報

開催期間:
平成23年11月1日(火)~12月18日(日)
会場:
曳山博物館1階南北エアタイトケース、2階企画展示室
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
入場料:
大人600円、小中学生300円
(団体20名以上2割引、長浜市、米原市の小中学生は無料)

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主な展示資料

仮名手本忠臣蔵・・・
 竹田(たけだ)出雲(いずも)、三好松洛(みよししょうらく)、並木千(なみきせん)柳(りゅう)の合作による人形浄瑠璃。全11段から成る。1748(寛延元)年、大坂の竹本座で初演され、歌舞伎に移入された。内容は赤穂浪士の吉良(きら)邸討ち入りを脚色したもので、江戸城の中で吉良(きら)上野(こうずけの)介(すけ)に斬りつけた浅野内(あさの)匠頭(たくみのかみ)は切腹、家老の大石(おおいし)内蔵(くらの)助(すけ)ら四十七人の浪人が吉良上野介を討ちはたしたという元禄時代の事件を足利幕府成立のころの話として書いたもの。題名の「仮名」は、いろは四十七文字と浪士47人を掛けたものを、「手本」は忠義を尽くした武士の手本を表し、「忠臣蔵」は蔵いっぱいの忠臣あるいは大石内蔵助を暗示するといわれる。

 

≪主な展示資料≫

『仮名手本忠臣蔵 四段目 塩冶(えんや)館(やかた)之段』 大正12年 個人蔵
 勘亭流で筆写された浄瑠璃の床本。筆写したのは二代目竹本一都氏で長浜の浄瑠璃語り。様式は五行本であり、繰り返しや浄瑠璃独特の節回しが朱で注が入っている。本段は塩冶判官の切腹の場面。

 

『義士忠臣蔵 本蔵下屋敷(ほんぞうしもやしき)之段』 昭和2年 個人蔵
 勘亭流で筆写された浄瑠璃の床本。筆写したのは二代目竹本一都氏で長浜の浄瑠璃語り。様式は五行本であり、繰り返しや浄瑠璃独特の節回しが朱で注が入っている。
本段は塩冶判官を制止した加古川本蔵の苦悩を描く。なおこの段は明治以降に捕足されたもの。

 

『義士扇』 昭和7年ごろ 個人蔵
 赤穂浪士の行状を扇仕立にしたもの。討ち入りのようす、吉良邸の見取り図を燈火のもと見つめる男女、大石良雄の桜に関する故事、浪士の一人で和歌に堪能であった小野寺十内の肖像など種々のものがある。これらの扇が製造販売された時期は、第一次上海事変が勃発。翌年は国際連盟を脱退し、戦時色が濃厚となった時代でもあった。

 

『歌舞伎衣裳 仮名手本忠臣蔵七段目一力茶屋 大星由良之介』 現代 ミュージアム中仙道蔵
 紫地に家紋がほどこされた歌舞伎衣裳。敵の目を欺く茶屋遊であるため筆頭家老由良之介であることを喧伝する立派な紋入りの羽織を身につけている。酒に酔ってくだけていることを装うため、羽織の片袖が脱げている。

 

『歌舞伎衣裳 仮名手本忠臣蔵七段目一力茶屋 お軽』 現代 ミュージアム中仙道蔵
 江戸時代の遊女の歌舞伎衣裳である。お軽は遊廓に入って間がないのでまだ上級の遊女ではない。上級の遊女は花魁と呼ばれ、最高位の花魁は太夫と呼ばれる。なお、遊女の帯はあんこ帯といって腹側で結ぶのが決まり。