企画展・特別展

シリーズ曳山の美-見送幕

 曳山を飾る最も大型で重厚なもの、それが見送幕です。見送幕の由来は曳山の後部に飾られて観覧者が曳山を見送るように眺めるところから来ています。 江戸時代後期の喜田川守貞の随筆「守貞漫稿」巻二四に「惣て見送と号す背面の大幕は都て唐織類にて・・・云々」とか「見送り幕寒山拾得一巻を観る」と記載されており、見送幕の言葉は江戸時代からあったことがわかります。 長浜の曳山の背後を飾る見送幕は日本や欧州、中国で織られたものが好んで用いられています。今回は現在収蔵中の曳山の見送幕を交替で展示します。

企画展情報

開催期間:
平成24年 7月 2日(月)~7月20日(金)
会場:
曳山博物館1階南北エアタイトケース
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
入場料:
大人600円、小中学生300円
*長浜市・米原市の小中学生は無料

主な展示資料

(7月2日~7月20日)

 

孔雀山見送幕「萠春之図」

昭和3年(1928) 山鹿清華作の毛綴織。

 白藤が爛漫と咲き乱れて垂下するところに、相向かう2羽の雄孔雀が1羽の雌孔雀を中心にして、互いに羽毛の美を競っており、地上にはふきのとうやうどなどの若芽が、まさに春が来て萌え出ようとする構図である。山号の孔雀山にちなんだ見送幕となっている。

 

常磐山見送幕「天平宮廷人の図」

大正15年(1926)年、山鹿清華作の毛綴織。

 中央に大きく天平時代の貴婦人が立ち、その背後に3人の男子が立っているが、いずれも天平時代の宮廷人のような服装である。右の男子は、正倉院御物に見るような楽器を持ち、中央の男子は琵琶、左の男子は笙を持っている。これらの人物の上方には天蓋が下がっている。

 

≪展示資料≫ (5月28日~7月1日)

 

翁山見送幕(復元) 二人の武将図(原本)

16世紀後半 翁山伊部町組蔵

 この見送幕は、16世紀後半にベルギーのオードナルド(Oudenaarde)で製作された重要文化財の見送幕の復元品である。英国製羊毛を経糸に、緯糸に羊毛と国産絹を使用した毛綴織(紋織物)で、京都の龍村美術織物で製作され、平成7年に完成した。染料については、天然染料を使用した場合、劣化と破損が進む可能性が大きいために化学染料を使用し、製織当時の色調を復元している。

 

萬歳樓見送幕 西洋人物図

萬歳樓瀬田町組蔵

 欧風の武人二人に婦人五人、その従者らしい者が二人いる。 下部には真紅の花を咲かせた草花がある。 遠景には三人の人物に洋風の建築物が見え右方と左方には樹木を配したという構図の毛綴織である。 欧風の構図ではあるが製作地や製作年代については明かではない。明治27年の鑑査状には「欧州某国王妃園林遊償図」とある。