企画展・特別展

世話物の世界 – 壺坂観音霊験記より –

 浄瑠璃「壺坂霊験記」は、明治になってから作られた新しい作品で、奈良県高取町にある壷阪寺(南法華寺ともいう)のご本尊である十一面観世音の功徳を題材にしたものです。貧しい暮らしの中、夫の目の回復を願うけなげな妻と、疑心暗鬼に落ちた盲目の三味線弾きの夫の物語であり、最後は観音さんによって一度は失った命も蘇生し、目も見えるようになったという霊験譚です。壷阪寺にはもう一つの霊験記「さよ姫伝説」があります。壷阪の村に住むさよ姫が亡父の13回忌をつとめるため身を売って陸奥国に行き、そこで大蛇の生贄として代わりに自分が求められていたことを知ります。決められた池の中嶋で待つと、やがて10丈(30メートル)もある大蛇が現れます。しかしさよ姫がお経を読むと経典読誦と親孝行の功徳により、大蛇は成仏を確信して歓喜、姫君を乗せて昇天します。実はさよ姫が弁財天、大蛇は壷阪の観世音菩薩だったのです。このように末世であっても信心があれば二世安楽間違いなしと結んでいます。

 特別展示では、明治の「壺坂霊験記」を長浜曳山祭のシーンと重ねて紹介するのは勿論のこと、さよ姫伝説、そして国指定重要無形民俗文化財として全国でも珍しい愛知県知立市の山車文楽「壺坂霊験記」の人形も併せて展示します。ご期待ください。

 同時開催の特別陳列「飾金具・塗り・蒔絵-長浜仏壇のかたるもの-」では、長浜の旧家に伝わる仏壇がお洗濯されるのを機にその優れた部材を展示します。長浜仏壇の特長は、江戸時代から受け継いだ伝統的手法による落ち着いた様式美にあるといっていいでしょう。その美しさを構成するものが「飾金具」「塗り」「蒔絵」などの職人による技です。仏壇を代々守られてきたご家族の信仰心と、職人たちの総合芸術というべき長浜仏壇をご覧いただければ幸いです。

企画展情報

開催期間:
平成25年11月11日(月)~12月15日(日)まで ※会期中無休
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
入場料:
大人600円、小中学生300円
*長浜市・米原市の小中学生は無料

会期中に次の事業も行います。

 (1)特別陳列「飾金具・塗り・蒔絵-長浜仏壇のかたるもの-」を同時開催します。

    会 場:2階企画展示室

 (2)特別展記念講演会「壺坂観音霊験記の世界」

    開催日:平成25年11月16日(土)13時30分~

    講 師:細田 明宏 氏(帝京大学文学部准教授)

    会 場:曳山博物館 伝承スタジオ

    聴講料:無料(事前申込不要)

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主な展示資料

<<出陳資料>>

竹生嶋出現尊像 一幅 縦55.3×横33.2(㎝)

江戸時代(後期)

 

長浜城歴史博物館蔵

坪坂観音縁起奉納大絵馬 一枚 縦102×横287.5(㎝)

明治30年(1897)

 

壷阪寺蔵

歌舞伎「壺坂霊験記」招看板 一枚 縦130×横70(㎝)

昭和40年代

 

壷阪寺蔵

国指定重要無形民俗文化財 二体

(お里)高さ125×幅47(㎝)

 

(沢市)高さ 94×幅55(㎝)

明治時代

 

知立山車文楽山町蔵

長浜曳山祭子ども狂言「壺坂霊験記」小道具 一式   萬歳樓瀬田町組蔵
浪曲「壺坂霊験記」レコード 三枚   個人蔵
床本「三十三所 花の山 壷阪霊験記 澤市内」 二冊   個人蔵

 

竹生嶋出現尊像
坪坂観音縁起奉納大絵馬
歌舞伎「壺坂霊験記」招看板
国指定重要無形民俗文化財

知立山車文楽山町「壺坂観音霊験記」人形

<<特別陳列 出陳資料>>

仏壇の美を形成するもの

見切柱 長さ128×幅5(㎝) (最大幅)
下腰 縦24.2×横28.0(㎝)
錠前 縦17.3×横9.0(㎝)
折り長押・狭間 縦28×横130(㎝) (最大幅)
高座 縦26×横76(㎝)
脇戸 縦106×横40(㎝)

見切柱
下腰
錠前