企画展・特別展

長浜のまつり

　曳山博物館は今まで長浜曳山祭の曳山行事は当然のこと、関連する歌舞伎、人形浄瑠璃などの資料を幅広く展示してきました。そして皆様のおかげで本館はこの十月で開館十五周年を迎えようとしています。加えて来年十一月には長浜曳山祭の曳山行事がユネスコの無形文化遺産に登録される予定です。
　このような大事な節目に一体どのような展示がふさわしいかと考えたのが、特別展「長浜のまつり」です。
　長浜は合併によって寺社や仏像など文化財の数が倍加しましたが、残念なことに民俗芸能や祭礼などの無形文化財は近年、延期や中止を余儀なくされているというのが実状です。
　これでは村々の個性というべき伝統文化が消滅してしまう、何とかしなければ、そんな危機感とともに、地元の祭り関係資料を広く集め展示することとしました。その中には指定文化財でありながらここ十年近く行われていないものもあります。また余呉町下余呉の太鼓踊りのように近年復活した元気な事例も含まれています。
　さて、長浜曳山祭の曳山行事は連綿と続けてきた人々の知恵が高い評価を受けました。反面、消滅の危機にある無形文化財を保護しなければならない、実はこれもユネスコの大きな仕事なのです。本館でもその一端を担うべく本展示を開催したいと思います。何処にもない、唯一の文化を伝えてきた長浜の村のまつり、人々の切なる祈りの姿をこの機会にご覧いただければ幸いです。