
曳山祭ニュース
令和7年度長浜曳山祭 役者が決まりました。
あらすじ
壽山(大手町組)
外題 仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場
ここは京都祇園の一力茶屋。主君塩谷判官の切腹の後、お家断絶となった塩冶家家老である大星由良之助は、連日遊興にふけっていました。しばらくすると、由良之助の息子である力弥が亡君の妻からの密書を届けに来ました。
そこへ、亡君の仇である高師直へ寝返った斧九太夫が、酒を飲もうと現れます。実は、由良之助を見張るために、潜(もぐ)り込んでいたのでした。
一方、二階の座敷では、早野勘平の妻で、今は訳あって遊女となり、この一力茶屋に勤めているお軽が、酔いを醒ましていました。そうとも知らず、御台からの密書を読む由良之助。恋文ではないかと二階から鏡に写し読むお軽。縁の下には、密書を盗み読む九太夫。しかし、お軽に密書を読まれ、密事が漏れること心配した由良之助は、お軽を身請けした後に殺そうと覚悟を決めます。
他方、妹を探しに一力茶屋に来ていたお軽の兄平右衛門は、お軽と会い久しぶりの対面に喜びますが、身請けの話を聞き、お軽が由良之助に殺されると覚ります。平右衛門は、それならば妹を自分の手で殺し、それを功として仇討ちの一味に加えて貰おうと、夫勘平の死を打ち明け、妹に命を自分にくれと頼みます。
お軽は、父や夫の死を嘆き、兄の手柄の役に立てて欲しいと死を覚悟します。その様子を窺っていた由良之助は、平右衛門の思いを天晴(あっぱれ)とし、仇討の一味に加えたのでした。
あらすじ
鳳凰山(祝町組)
外題 玉藻前(たまものまえ)曦袂(あさひのたもと) 三段目 道春館の場
主がいない藤原道春の館には後室の萩の方と、姉・桂姫と妹・初花姫の二人の娘が暮らしています。萩の方が采女(うねめ)之助を呼び出し、何者かによって盗まれた「獅子王の剣」の探索を頼んでいると、そこへ薄雲皇子の許からの上使・鷲塚金藤次が訪れます。
金藤次は萩の方に「獅子王の剣」か、皇子に靡(なび)かない桂姫の首、どちらかを差し出せと迫ります。実は桂姫は萩の方の実の娘ではなく、道春が清水寺近くの神社参籠のおり、五条坂で拾った子であることを明かします。萩の方は、神から授かった子どもを殺すことはできないので、妹の実の娘である初花姫を身代わりにと頼みます。しかし、金藤次は聞き入れず、どちらの首を差し出すかは、二人の双六勝負で決めるよう言い渡します。
白装束で現れた二人の姫は、互いに負けようとしますが、勝負は桂姫の勝ちに終わり初花姫は首をさしのべます。ところが、金藤次が斬り落としたのは桂姫の首でした。萩の方は憤り、長刀でもって金藤次に立ち向かいますが、あえなく抑え込まれてしまいます。様子を見ていた采女之助が金藤次を刺すと、金藤次は苦しい息の中、ことの真相を語り始めます。
実は桂姫こそ金藤次の娘であること、育ての親である萩の方への恩義のために、初花姫を討たず桂姫を討ったこと、「獅子王の剣」は自分が道春館から盗み出したことを娘の首を抱きつつ告白します。皆が嘆くうち、采女之助は「獅子王の剣」を奪い返すべく立ち上がり、皇子の館へと向かうのでした。
あらすじ
猩々丸(舟町組)
外題 加賀見山旧錦絵(こきょうのにきえ) (竹刀打ちから奥庭仇打ちの場)
大姫に仕える老女の局岩藤は、弟と主家乗っ取りを企てており、中老の尾上はそれを知っており、事あるごとに姉弟の陰謀を阻もうとしていました。
局岩藤は、中老の尾上が大姫に厚く信頼され、「旭の弥陀の尊像」や「蘭奢待(香木)」といった大切な品を尾上に預けているのを憎んでおり、辛くあたっていました。岩藤は、町人出身で武術の心得のない尾上に対し、竹刀での立ち合いを申し出て、満座のなかで打ち負かします。そこへ尾上に仕えるお初が駆けつけます。お初は岩藤の腰元桐島と立ち合い、桐島を打ち負かしてしまいます。
尾上を罪に陥れようと機会を狙っていた岩藤は、家来と示し合わせて「蘭奢待」を尾上の部屋から盗み出します。岩藤は蘭奢待を盗んだ犯人として、尾上が罪を自分になすり付けようとしていると訴えます。一方、岩藤の悪だくみと察しがつきながら、言い訳のできない尾上は、岩藤に草履で散々に打ちたたかれ、尾上の腰元左枝も主人を守ることができませんでした。
一方、お初はその遺書とは知らず、尾上から文箱を持たされ、尾上の実家に「つかい」に出されますが、途中で胸騒ぎを覚えて、尾上のもとに引き返します。尾上の部屋に戻ったお初は、岩藤に尊像を奪われた上、自害した尾上の死に際に岩藤の悪事のすべてを聞くことになります。
主人尾上の無念を晴らすべく、お初は岩藤を奥庭へ誘い出し、みごとに仇を討つのでした。
あらすじ
髙砂山(宮町組)
外題 義経千本桜 河連法眼館(かわつらほうげん)の場
兄源頼朝と不仲になった義経は吉野山にある河連法眼の館に身を寄せていました。そこに佐藤忠信が訪ねてきますが、その後に静御前が忠信を供にして到着したとの知らせが入ります。二人の忠信の存在を怪しむ義経は、静御前に命じてどちらかが本物かを確かめさせます。
静御前の「初音の鼓」を打つ音に誘われるようにして現れた狐忠信。鼓の音に聞き惚れる様子を怪しく思った静御前が問いただすと、親恋しさから人間に化けて静御前に付き従ってきたのだと白状するのでした。
狐忠信は、雨乞いのために殺され、「初音の鼓」の皮にされてしまった狐の夫婦の子でした。「初音の鼓」は朝廷の宝となり、子狐は近づくこともできなかったのですが、宮中から義経の手を経て静御前の手許に預けられていたので、忠信に姿を変えて親のそばに居られることを喜んでいたのです。
子狐の孝心に感動した義経は、狐忠信に「初音の鼓」を与えます。すると、そこに金峯山寺の荒法師が夜討ちを企むとの火急の知らせが…。狐忠信の両親へのひたむきな愛情を見せることで、骨肉の争いに明け暮れる人間の醜さを浮き彫りにしている演目です。